繊細でクリアな高音域を奏でるスピーカー。オーディオファンをとりこにしてきた名門企業「オンキヨー」は今、業績悪化に苦しんでいます。過去最大の赤字。そして債務超過の状態になっていて、今月末までに解消しないと最悪、株式の上場廃止になるおそれがあるというのです。なぜここまで追い込まれてしまったのか、今、取り組んでいる戦略は何か。耳を澄ませてみたいと思います。
2014年3月期の決算から5期連続の最終赤字に。2020年3月期の決算では98億円余りと過去最大の赤字を記録し、33億円の債務超過に陥りました。東京証券取引所の元来のルールでは、2年連続の債務超過は上場廃止となりえます。
今は新型コロナの特別措置があり、猶予期間が延長される可能性はありますが、厳しい状況に変わりはありませんなぜ名門オーディオブランドがここまで凋落(ちょうらく)したのか。要因の1つはアップルという黒船の来襲でした。
アップルは2003年、音楽をインターネットを使ってダウンロードして楽しむiTunesのサービスをアメリカでスタート。それまでCDを購入して聴くのが当たり前だった音楽をネットの世界へ解き放ったのです。
2007年にはiPhoneが発売。音楽はスマホの中に取り込まれ、音楽のデジタル化が急加速していきました。
市場の変化に追いつけずオンキヨーも指をくわえて見ていたわけではありません。パソコンメーカーを買収するなどデジタル化に対応しようとしていました。しかし、市場の変化は想像を超える早さだったこと、何よりスマホに音楽が取り込まれたことで、音を再生するオーディオ機器の存在意義が急速に薄れてしまったことが大きな痛手だったと会社の経営幹部、林亨取締役は振り返ります。
以下ソース
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210303/k10012892081000.html
あきらメロン