-前略-北欧型社会を目指し消費税25%を提唱野党のリーダーを目指す上で重要なのが具体的な政策です。小川氏の政策最大の特徴は、今の社会制度を転換して高福祉・高負担社会を目指す姿勢です。小川氏はかねてから超高齢化社会を迎える日本を、みんなで負担を分かち合い幸福度が高い北欧型社会に変えていかないといけないと主張し、そのために消費税の増税が必要だと訴えていました。そして2014年、『日本改革原案 2050年 成熟国家への道』(光文社)という著書を上梓。最低保障年金の導入と保険料負担の引き下げを条件に、消費税率を最大25%に引き上げることを提唱しました。これによって日本の持続可能性と国民の将来にわたる安心を獲得するというものでした。ただ小川氏は2021年、この本に増補原稿を加えました。ここでは引き続き消費税増税にも触れている一方で、現在の格差拡大やコロナ禍においては消費税減税を検討すべきと書き足しています。私はそんな小川氏が、今回の総選挙で立憲民主党が掲げた「消費税率5%に引き下げ」「年収1千万以下の所得税の実質無税」「低所得者に年12万円支給」といった壮大な分配政策をどう捉えているのかとても気になりました。選挙前に尋ねてみると「コロナ禍とはいえあまりに大盤振る舞いで、有権者に本気じゃないと見られる。唐突な政策だ」と厳しい評価でした。もっとも、小川氏は私が訪れた街頭演説でもこうした党の公約にはまったく触れていませんでした。代表選挙では消費税を含む税制と分配を含む経済政策のあり方が必ず争点になるでしょう。ポストコロナに向けた対策をどうするのか。そして持論の高負担高福祉社会をいつからどの程度目指すのか。小川氏の政策の現実性・実現性が質されることになります。共産党との共闘に積極的そして小川氏の政治姿勢で目に留まるのは共産党との共闘に積極的なことです。小川氏は常々「自民党と本気で対抗するために野党候補の一本化は必要だ」と語っています。2016年の参院選、小川氏は民進党香川県連の代表として香川選挙区の野党候補を共産党候補者に一本化する先頭に立ちました。共産党候補への一本化は香川県だけで当時話題となりました。この時小川氏は共産党香川県委員会に歩み寄りを求め、「日本社会に必要なのは社会主義的変革ではなく資本主義の枠内での民主的改革」「日米安保条約の破棄や自衛隊の解消と言う政策は持ち込まない」「天皇制を含めた現行憲法の全条項を守る」などの確認書を交わしました。私はこの小川氏の前のめりな姿勢を懸念して、議員会館を訪ねました。そして「共産党と組むと民進党がどんどん浸食され、左傾化するんじゃないか」と率直に尋ねました。それに対して小川氏は「僕は変わって行くのは共産党の方だと思う。欧州のような共産党の現実化・中道化は時代の流れでしょう。欧州も入り口は選挙協力でした。今回はその第一歩ですよ」と話していました。欧州ではユーロコミュニズムと言われる共産党がソ連共産党と距離を置く動きが広まり、イタリアでは1990年代に共産党が解党して左翼民主党になり、「オリーブの木」という連立政権に参加しました。しかしあの参院選から5年。日本共産党は選挙協力にはさらに積極的に応じるようになりましたが、党名の変更はもちろん、綱領の抜本的な改定には踏み切っていません。代表選挙では共産党との共闘路線の是非が最大の焦点になります。比例代表で大きく議席を減らした今回の選挙結果を受けても、小川氏は共闘しながら共産党に中道化を求める立場を貫くのか、厳しく問われることになるでしょう。以下略
さらに経済成長が停滞するのではと思うお。
高福祉型へのシフトはある程度経済成長をしているときでないと厳しいと思うんだがな。