考えてみれば、幾つかの物流倉庫を経て「ラストワンマイル」と呼ばれる最後の物流拠点からエンドユーザーに渡るまでのサービスが、即日で行われるのは驚異的だ。最後の配送業者に負荷がかかっているのは、容易に想像がつく。
そのラストワンマイルの「労働者」たちが声をあげ始めた。カッコ書きにしたのは運営会社のアマゾンジャパンが、労働組合との団体交渉に応じていないからだ。「アマゾンの労働者」とは認めていない。
双方の主張を書く前に、アマゾンの物流体制について記しておきたい。
アマゾンの日本上陸以降、物流を担っていたのは佐川急便やヤマト運輸などの大手配送業者だった。だが現在は利益率の薄さから、まず佐川、ついでヤマトが即日配送業務から撤退するなど縮小している。代わって煩雑な個人宅への配送を引き受けているのが、アマゾン自前の配送システムである。
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