「女性が好き」というシンプルな想いから一夫多妻という形をとっていると笑顔で話すが、意外にも20代まではいわゆる〝普通の恋愛〟をしていたという。何がきっかけで渡部さんの恋愛に対する価値観は変わったのか。
「きっかけは〝失恋〟です。失恋した時に『恋愛ってどうやったらうまくいくんだろう』と考えて……。多くの女性と遊ぶことが恋愛において有利だということに気づいたんです。それからは〝普通の恋愛〟の概念にとらわれないよう自分の中のリミッターを外して遊びまくりました。気付いた時には同時に12人の女性と付き合っていることもありましたね(笑)。今の奥さんたちは、その中の4人です」
人数がわからないほど多くの女性と出会ってきた渡部さん。自身が駆使したありとあらゆる出会いの方法について教えてくれた。
「街コンに出かけたり、逆ナンされに街に繰り出したり、自分からナンパしたり、相席屋にも行きました。とにかく思いつく方法を片っ端から試して、自分にとって一番ベストな出会い方を探しました。最終的に行き着いたのは、マッチングアプリですね。効率もいいし、費用もかからない。奥さんは4人ともマッチングアプリで知り合い、一緒に住み始めました」
一夫多妻というと風変わりなイメージがある。その奥さんたちもまた同じように変わった人なのかと思いきや、各夫人たちは仕事をしている普通の一般女性だ。
その一方で渡部さんは10年以上も無職で、定職に就いた経験もないという。20種類以上のアルバイトを試みた時期もあったが、どれも長くは続かなかった。
「僕は20代前半から働いていません。だからといって、家で一日中グータラしているわけでもないんです。子供の面倒を見たり、家事もしますが、基本、僕の役割はデートです。僕が働いたらみんなに平等に時間を割けなくなるので働かずにデートをします。4人の妻以外にも彼女が2人いるので、ほぼ毎日誰かしらとデートをしているので逆に仕事をしている時間がないんです」
4人の奥さんそれぞれに「平等に時間を割くこと」こそが、良好な関係を築く秘訣だという。
「僕と奥さんはたまに喧嘩をしますが、奥さん同士の喧嘩はまったくないです。喧嘩をする時はたいていそれぞれの奥さんに対し『平等に時間を割けなかった』僕のせい。そういう時の奥さんたちはみんなで結託して怒るので、けっこう怖いです(笑)。
でも昔、ベッドが一つしかなかった時に全員で一緒に寝ていたのですが、その時は嫉妬が原因で責められたこともありましたね。今は4LDKの広い家に引っ越し、それぞれ寝室は別にしてるので喧嘩は減りました」
好きなことをして好きな生き方をしている渡部さんのもとには、SNSのメッセージなどを通して、非難の声がしょっちゅう届くそうだ。
「『働けクズ』とか『日本から出ていけ』とか否定的な意見がほぼ毎日送られてくる。そういう意見に対しては何も思わないし、何も感じないです。
ただ、最近、中国などの海外メディアの取材を受ける機会があったんですが、その影響か国外の方からは肯定的な意見をもらうことが多いです。アメリカやオーストラリアの方々からメッセージをいただいたこともあります。『伝説』とか『立派』とか、それは褒め過ぎだろうって思うような肯定的な意見もありますが、良い意見は素直に受け入れて喜びます(笑)」
「僕ね、子供が54人ほしいんです。〝無類の子だくさん〟として知られる将軍の徳川家斉の子どもが53人らしいので、彼を超えて新しい伝説を作りたい。
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