日本人が最も希望する税金の使途は「貧困と社会不平等の緩和」など、結果をグラフにまとめて発表した。
希望する税金の使途1位は「貧困と社会不平等の緩和」
上記グラフ(1)が示しているようにに、日本人が税金の使途で最も重要と考える項目は「貧困と社会不平等の緩和」だった。「医療」や「仕事の創出」、「教育」、「インフラ」などを上回り、経済状況の改善を求める日本人の姿が明らかになったと言えるだろう。
一般市民と政治や経済に関わるエリート層との格差があると感じている日本人は75%と、2021年よりは3ポイント減少するものの、依然、世界でも5番目の多さであることがわかった。
こうした格差の実感が、グラフ(1)にある「貧困と社会不平等の緩和」を求めるという回答に反映されているとも考えられる。
「自国は衰退している」と感じている日本人は68%、2016年の40%と比べて1.7倍に
日本人の68%が、「日本は衰退している」と感じており、世界各国と比較しても、28か国中5番目の多さとなっている。
また、2016年からの経年変化をみると、その割合は1.7倍にまで増加し(世界各国平均はほぼ変わらず)、現在の日本に対して、前向きな明るい期待を持つことが難しい状況であることが推察できる。
「既存の政党や政治家は、私のような人間を気にかけていない」という問いに対し、62%の人が「そう思う」と回答。
世界各国平均(64%)は下回っているものの、2016年からの経年変化を見ると、約1.6倍に増え、政治への不信が加速していることがわかる。
調査結果まとめ
イプソス株式会社代表取締役社長 内田俊一氏
2016年以降、2020年からのコロナ禍も経て、政治に対する不信感や、格差・不平等を感じている国民が増加傾向にある、あるいは、世界的にみても多い傾向にあることがわかりました。
最近でも物価高騰や政権与党の裏金疑惑など、不安を感じるような出来事が続き、将来への希望を持てなくなっているものと考えられます。
しかし、2023年11月に当社が発表した「国家ブランドランキング」では、日本はドイツやカナダをおさえて、アジア太平洋地域国初となる1位を獲得しています。
こうした国外からの評価が一般の生活に好影響を及ぼし、それを実感するまでには時間がかかるのかもしれませんが、今後、そうした前向きな情報がより多くの方に届けられることを期待します。(抜粋)
https://approach.yahoo.co.jp/r/QUyHCH?src=https://news.yahoo.co.jp/articles/84823c6da885f29e49e57f525561cb0124fb11ce&preview=auto