3月19日 5時06分
G20=主要20か国の財務相・中央銀行総裁会議が、日本時間の19日夜アルゼンチンのブエノスアイレスで始まります。
会議では、アメリカが決めた異例の輸入制限措置が世界経済に与える影響に加え、流出問題などが相次ぐ仮想通貨の規制強化についてG20として初めて議論する見通しです。
G20は、日本時間の19日夜開幕し、日本からは日銀の黒田総裁と木原財務副大臣が出席します。
会議では、アメリカのトランプ大統領が決めた鉄鋼などへの異例の輸入制限措置が世界経済に与える影響について議論される見通しで、「貿易戦争」の懸念が強まるなか各国がどのような意見を表明するか注目されます。
また、今回の会合では、仮想通貨の規制強化について、G20として初めて議論する見通しです。仮想通貨はインターネットを通じ手軽にやり取りできる新たな決済手段として誕生しましたが、このところ価格が乱高下し投機対象としての性格が強まるなか、日本やイタリアでは、不正アクセスによる巨額の流出問題が起きました。
また犯罪で得た資金を合法的なものに見せかけるマネーロンダリングに仮想通貨が使われるなど各国で問題が相次いでいます。仮想通貨に対する規制は、現在国ごとにばらつきがあるだけに、今回のG20で国際的な規制の在り方についてどこまで議論が深まるのかも焦点となります。
自由貿易の重要性を打ち出せるか
今回のG20は、アメリカのトランプ政権が、保護主義的な姿勢を一段と強めるなかで、自由貿易の重要性について各国が一致したメッセージを打ち出せるかも焦点です。
トランプ大統領が署名した鉄鋼とアルミニウム製品に高い関税を課す輸入制限措置は、今月23日に発動される見込みで、今回のG20は、発動を目前にしたタイミングで開かれます。
アメリカの措置に対しては、対象となっているEU=ヨーロッパ連合や中国などから反発が相次いでいます。特にEUは、アメリカの鉄鋼製品や農産品などで報復関税のリストを作成するなど対抗措置も辞さない姿勢を表明していて、世界的な貿易戦争につながる懸念も高まっています。
日本としては、アメリカに対して各国が対抗措置をとり、貿易戦争が拡大するような事態になれば、好調な世界経済に大きな打撃を与えるとして、自由貿易体制の重要性を改めて強調したい考えです。
こうした中、今回のG20は、保護主義的な姿勢を一段と強めるアメリカと対立が鮮明になっている中国やEUなどが、自由貿易の重要性について一致したメッセージを打ち出せるかどうかも焦点になります。