ビットコインの取引を匿名化できると謳った資金洗浄サイト「Bitcoin Fog」の管理者とみられる男が逮捕・起訴された。きっかけとなったのは、彼自身の10年にわたるデジタル取引の痕跡だった。匿名性が高いとされるブロックチェーンから、いかに当局は取引の実態を突き止めたのか。
TEXT BY ANDY GREENBERG
WIRED(US)
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AP/AFLO
ビットコインの資金洗浄サイトとして知られる「Bitcoin Fog」は、過去10年にわたってユーザーの仮想通貨の出どころや送金先を覆い隠すサービスを提供してきた。いまではダークウェブ経済において最も“尊敬されるべき”組織のひとつに挙げられている。
この長く続いてきた匿名化システムについて調査していた米国の内国歳入庁(IRS)が、背後にいたロシア系スウェーデン人をついに特定し、数億ドル規模のビットコインを資金洗浄した容疑で起訴したと発表した。その資金の大部分はダークウェブの薬物市場に送金され、またそこから出金されていた。
なぜ彼は起訴されるにいたったのだろうか。きっかけは、彼自身の10年にわたるデジタル取引の痕跡にあった。
ビットコインの取引をロンダリング
裁判記録によると、米当局が4月27日にロサンジェルスで逮捕したのはロマン・スターリンコフ。当局は、スターリンコフがBitcoin Fogを運営していたとされる10年間で、120万ドル(約1億3,000万円)以上に相当するビットコイン(決済当時の価値は3億3,600万ドル相当)を資金洗浄した罪で起訴している。
IRSの犯罪捜査部によると、ロシアとスウェーデンの国籍をもつスターリンコフは、Bitcoin Fogのユーザーが自分と他者の取引をごちゃ混ぜにできる状態にすることで、ビットコインのブロックチェーンを調べても個人の決済を追跡できないようにしていた。そうした取引から、彼は2~2.5%の手数料を受け取っていたという。
IRSは取引が実行された当時の相場に基づき、スターリンコフが資金洗浄を通じて合計約800万ドル(約8億7,000万円)相当のビットコインを手にしたと推測している。この計算には、過去10年で高騰したビットコインの価格上昇分は考慮されていない。皮肉なことに、スターリンコフがBitcoin Fogのサーバーを開設する際に実行したとされる2011年の取引が、IRSが彼のしっぽを掴むきっかけとなったようだ。
「適切なツールをもった調査官が、仮想通貨の透明性を利用して不正資金の流れを追跡できることが改めて証明されました」と、ブロックチェーン分析企業のChainalysisの共同創業者であるジョナサン・レビンは言う。
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引用元:https://rosie.5ch.net/test/read.cgi/editorialplus/1620550807/