6日放送のAbemaTV『AbemaPrime』に出演した経済アナリストの森永卓郎氏は「私は”丁半博打”か、”チンチロリン”と同じ種類のものだと思っている。通貨、例えば日本円は日銀が株や国際、不動産を買った代金として出しているので、バックには資産が必ずある。つまり1万円札なら1万円分の資産を中央銀行は持っているという裏付けがある。ところが仮想通貨はそれがなく、需給関係だけ。今は欲しい人がいるから値段が上がっているだけという非常に不安定なもの。タダでもおかしくない」と話す。
海外でも仮想通貨への対策が始まっている。英銀行大手ロイズグループは顧客が債務を抱えることを懸念、クレジットカードで仮想通貨を購入することを禁止した。すでに国内の仮想通貨取引事業を禁止している中国は、海外での取引も禁止する方針だという。
「おそらく取引所を登録制にしてきちんと位置づけようとしたのは日本くらいだと思うが、韓国も厳しい規制をかけているし、アラブでは全面禁止にする国も出てきている。ちょっと危ないぞと世界が思い始めていて、先行きがあやしくなってきている。ただ、どんどんマイニングをやって新規発行を受けたのは中国で、その後に値段をどんどん吊り上げたのも中国。そこで日本人相手にごっそり売り抜けたあと、自分のところは禁止にした。うまいと言えばうまいが、やられちゃったかなという感じ。中国政府はずるい」。
■日銀、大手銀が発行するようになれば”終わり”?
今後の仮想通貨取引の見通しについて、経済学者の野口悠紀雄氏は「正直分からない。ただし先月、アメリカのシカゴで先物取引が始まり、価格の下落を予想している人が多い。それから判断すると価格が下がる可能性が高い」と話す。また麗澤大学教授の中島真志氏は「今の状況で下落すれば保有している人もどんどん手放していき、いずれ元々の価格である10万円ほどまで下落してもおかしくない」と予想する。
森永氏は「100年先かもしれないが、ビットコイン(の価格)は最終的にゼロになると思う。新規のビットコインを割り当てることによってマイニングのギャラは支払われている。ただ発行上限があり、100年先とも言われている発行上限まで来たらギャラが払われないことになり、誰もマイニングができなくなる。さらに4年に1度、マイニングのギャラが半減するルールになっているので、そのうち誰もマイニングしなくなり、ゼロになるだろう」との持論を展開。
「最終的に決定打を放つのは実験中の日銀だと思っている。日銀が仮想通貨を発行して、それを受けた大手銀行のグループが自らのブランドの仮想通貨を発行するようになれば、資産の裏付と強制通用力があり、価格変動もしないので安心だ。ブロックチェーンの技術を最も堅実な形で使えるようになる。そうなれば1000種類以上ある仮想通貨はやられてしまうのではないかと思う」。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)
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