ナスダックは前日、直接上場を控えたコインベースの参考価格を1株250ドルに設定していた。初値は381ドルで、株価は一時429.54ドルまで上昇した。終値は初値から14%安となる328.28ドル。これに基づく時価総額はストックオプションなどの潜在株式を含めた完全希薄化ベースで約860億ドルとなる。仮想通貨ビットコインは過去最高値を更新後、6万2000ドルを下回る水準に下落。ビットコインはイーサリアムとともに、同社の2020年の取引収入の56%を占めていた。
12年に創業したコインベースの上場は仮想通貨業界と同社にとって歴史的な出来事となった。直接上場としてはコインベースが初となったナスダック市場にとっても成功を意味する。
同社のハース最高財務責任者(CFO)は「ウォール街の賛同を得ようとしたわけではないが、仮想通貨の透明性を高め、より多くのユーザーに仮想通貨を紹介することを目指した」と述べた。
コインベースの初期投資家も上場を歓迎。イニシャライズド・キャピタルの創業者でマネジングパートナーのギャリー・タン氏はブルームバーグ・テレビのインタビューで、「コインベースはこの10年のマイクロソフト、ネットスケープ、グーグルやフェイスブックに相当すると思う」と語った。
米アルファベット傘下グーグルでの勤務を経て、昨年2月にコインベースに入社したばかりのスロジット・チャタジー最高製品責任者(CPO)が保有する同社株の価値は約1億8080万ドルとなり、一気に巨額の富を手に入れた。スタートアップ企業に入社する際に受け取る株式が大化けする典型的な例となった。
米2社が公開検討
コインベースの上場を受け、市場では他の暗号資産企業にも注目が集まっている。2兆2000億ドルの規模を持つ仮想通貨市場では、暗号資産融資のスタートアップ企業ブロックファイと暗号資産取引業者クラーケンの米2社が株式公開を検討しているとされる。ビットコインやイーサなどのデジタル資産が最高値を更新する中、数年前なら一笑に付されたであろう可能性の高まりを後押ししている。
仮想通貨ATMを米国で展開するコインフリップのベン・ワイス最高経営責任者(CEO)は「コインベースの株式上場で最大の影響は、業界に正当性をもたらしたことだ」と語った。
銀行は長年、仮想通貨は実体がなく犯罪者向けだとして敬遠してきたが、コインベースの上場に注目している。ウェドブッシュのアナリスト、ダン・アイブス氏はリポートで、コインベース上場は「暗号資産業界にとって重要な分岐点であり、歴史的イベントだ。投資家の今後の関心を見極めるため、ウォール街も注視する」と指摘した。(ブルームバーグ Crystal Tse、Katie Roof)
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