1: 2021/07/03(土) 21:58:09.61
国税庁が今年11月27日に発表した所得税等の調査によれば、インターネットを使った電子商取引を行っている個人について、2019年度に税務調査の対象となった1877件のうち、1680件で無申告が発覚。追徴課税は前年度よりも約12%増え、65億円にものぼったという。
とりわけ積極的に税務調査が行われているのが、いわゆる「転売ヤー」だ。
マスクの転売が問題になったのは記憶に新しいが、最近では、名古屋国税局が、「ニンテンドースイッチ」や「PS5」に代表される人気の品薄ゲーム機を大量に仕入れ、複数のネットオークションサイトで転売していた男性に対し、約4300万円の申告漏れを指摘。約1400万円の追徴課税を行ったとも報じられた。
転売ヤーのように長期的、かつ高額な利益をあげながら申告を怠ると、悪質だとみなされ、手紙や電話のみならず、最悪の場合、税務署の調査官が自宅にまで踏み込んでくるケースもある。
家に来たらもう手遅れ
千葉県在住の主婦、佐藤菜摘さん(44歳・仮名)の元に今年10月、突然こんな電話がかかってきた。
「税務署の者です。10月×日、所得税の件で税務調査を実施したく、お伺いさせていただきます」
そもそも税務署に目をつけられた原因は、佐藤さんが顧客の獲得を目的に開設したブログやSNSだった。
趣味だったハンドメイドを副業にしようと思い立ち、以降、現在まで月に20日間、押し花や天然石を使ったアクセサリーやスマホケースなどを、一日10個ほどのペースで製作し、メルカリで販売していた。
うかつにも佐藤さんは「今月の売り上げは20万円になりました!」といった自身の副業の収入が誰からも分かるような書き込みをしており、そこに税務署が申告漏れの可能性を見出したのである。
税務調査当日の午前10時、黒スーツ姿の2人組の男性調査官が現れた。インターホン越しに映された鋭い目つきに、佐藤さんにも思わず緊張が走った。2人の調査官を居間に通すと、すぐに質問が飛んできた。
調査官 「改めて確認しますが、商品を売っていたサイトはメルカリでよかったですね」
佐藤 「ええ、メルカリです……」
調査官 「メルカリだけですね」
佐藤 「は、はい……」
調査官 「あなた名義の別の預金口座を確認したところ、異なるフリマサイトからの入金を確認しましたよ。これ」
佐藤 「忘れておりました、本当にすみません」
そう。佐藤さんはハンドメイドの商品をより広範囲に売るべく、メルカリ以外のフリマアプリにも出品していたにもかかわらず、あろうことか調査官にウソをついてしまったのだ。
結局、佐藤さんは2015年から2018年の間にメルカリと他のフリマアプリの2ヵ所で稼いだ480万円の利益に対して所得税が課されることになった。
本来なら20%の無申告加算税で済むはずだったが、税務調査がアダとなり、40%の重加算税という厳しい処分が下される。
佐藤さんは夫と相談し、泣く泣く定期預金を取り崩し、192万円もの追徴課税を支払うことになった。
2021.07.02
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/84716
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