日本ハムの新庄剛志監督が昨年12月31日に配信された球団OBで野球解説者・岩本勉氏のYouTubeチャンネルに出演。近年伸び悩んでいる阪神・藤浪晋太郎の獲得を熱望した発言が波紋を読んでいる。
対談の中で新庄監督は「おれ欲しい選手1人いる。阪神の藤浪君」と明かすと、「俺のところに来たらもう化ける」と自信をみなぎらせた。岩本氏が「頭の中で(藤浪を)改造できると思う?」と質問すると、「できる」と即答。「(阪神に)オファーしたら?」との岩本氏の質問に、「しようと思う。使わないんだったら下さいよ」と獲得を熱望した。
この動画のコメント欄には、「阪神も起用法に迷っている筈なので先ずは1年か2年新庄ビックボスに預ける気持ちで日本ハムにレンタル移籍させて欲しい。巨人でくすぶっていた大田泰示選手の様に化けると思います。阪神のプレッシャーから離れビックボスの下で伸び伸び楽しくプレイする藤浪選手を見てみたい。経済効果や話題を考えたら阪神、日本ハム、藤浪選手がwin win winになると思います(原文ママ)」と新庄監督の発言に賛同する意見が多く見られたが、他球団の編成担当は苦言を呈する。
「新庄監督は制球難を修正できることに自信を持っているようですが、阪神の首脳陣たちも取り組んでいますし、藤浪自身も試行錯誤を続けている。阪神は投手の育成能力が低いわけではない。そもそも藤浪は阪神に所属する選手です。FA権を持っているわけではないし、移籍の自由があるわけではない。本気で欲しいなら水面下でトレードを打診するべきだし、メディアを通じて獲得を熱望するのは阪神、藤浪に対して失礼だと思います」
藤浪は高卒1年目から3年連続2ケタ勝利をマークしたが、その後は制球難で投球フォームを崩して1軍定着もままならない状況に。今季は自身初の開幕投手を務めたが、好調は長続きしなかった。21試合登板で3勝3敗4ホールド、防御率5.21で、課題の制球難も解消されていない。計り知れない潜在能力を秘めているだけに、「何とか再生したい」という思いで新庄監督の口を突いて出たのかもしれない。
現実的に藤浪が日本ハムにトレード移籍する可能性はあるだろうか。
「トレードで日本ハムの交換要員を考えた時に、藤浪と釣り合いが取れる選手が見当たらないので厳しいと思います。オフに自由契約にした西川遥輝(楽天)、大田泰示(DeNA)がいたら話は違ってきますが…。あと日本ハムの編成権はフロントがすべてです。新庄監督が動画内で話していたように、欲しいと思った選手がいてもフロントが必要ないと判断したら獲得に動きません」(スポーツ紙デスク)
新庄監督は日本ハムを本気で再建し、球界を盛り上げたいと連日メディアに登場している。球界の常識を覆す斬新なアイデアも多いが、野球理論には精通しているだけに説得力がある。その一方で、他球団の選手を巻き込んだ発言が問題視されることも。
12月12日放送のフジテレビ特番「中居正広のプロ野球珍プレー好プレー大賞2021」に出演した際は、今季32本塁打で自身初のタイトルを獲得するなど大ブレークしたオリックス・杉本裕太郎に清宮について質問。「これ、ラオウ(杉本)くんに聞きたいんですけど…、ラオウくんと同じぐらい飛ばせる力はあるという噂を聞いたことがある。ラオウくん。どうやったら30発打てそう?」と質問。杉本は戸惑いながらも、「それはビッグボスがしっかり指導すれば打てると思います」と真面目に答えると、新庄監督は「ここなのよ。普通なのよ、コメントが。ここでいかな!」とダメ出しした。
「この放送を見た視聴者から『清宮について聞かれても答えられないでしょ』と杉本に対して同情的な見方が多かった。新庄監督は藤浪の件も全く悪気はないと思いますが、他球団の選手を巻き込む発言はちょっと神経を使った方がいいかなと思います」(スポーツ紙デスク)
球界という枠を超え、社会現象ともいえる「ビッグボス旋風」を巻き起こしている新庄監督。本人は理解していると思うが、発言の影響力が大きいことも忘れてはいけない。(安西憲春)
引用元:https://swallow.5ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1641692861/