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総務省が8日発表した6月の家計調査によると、2人以上の世帯の消費支出は27万5545円と、物価変動の影響を除いた実質で前年同月比4.2%減少した。
マイナスは4カ月連続となる。食料や家電など生活関連の品目への支出が減り、消費を押し下げた。
QUICKがまとめた市場予測の中央値は4.1%減だった。前月の5月は4.0%減で、減少幅は拡大した。6月は消費支出を構成する10項目のうち8項目で前年同月を下回った。
食料向け支出は3.9%減った。総務省は「物価上昇などによる内食需要の縮小の影響が出ている」と説明した。ゼリーやプリンなどの菓子類が8.6%、魚介類が8.8%のマイナスだった。
新型コロナウイルス禍での巣ごもり需要で前年までに増加がみられた品目では反動が出た。
エアコンや電気洗濯機への支出が大きく減り、家庭用耐久財は32.1%減となった。テレビやパソコンがふるわず、教養娯楽用耐久財も21.3%減に落ち込んだ。
コロナ禍からの経済活動の回復で外出を伴う消費は増加が続いた。外食は1.8%増えた。伸びは5月の6.7%増から縮小した。
外国パック旅行費や国内パック旅行費も伸び、教養娯楽サービスは4.1%の増加だった。
消費者物価の上昇を受け、物価の影響を考慮する前の名目ベースと実質ベースの差が開いている。
名目の消費支出は0.5%減で、実質と3.7ポイントの差があった。食料は名目では4.2%増だった。
同日発表した4?6月期の2人以上の世帯の消費支出は月平均28万8355円で、前年同期に比べて実質で4.2%の減少となった。マイナスは3期連続となる。