2人は詐欺だと客を説得するも、なかなか応じてもらえなかったと話します。後日、再度訪れた客が店員に告げたまさかの一言とは…
22日、大田警察署から感謝状を受け取ったのは、市内のコンビニ店で働く男性2人です。
今年4月、常連客の男性が「カードを買って番号を教えるように言われた」とコンビニに来店。20万円分の電子マネーを購入したいと話したため店員が事情を聞くと、著名人から投資の話を受けたと話したということです。
詐欺だと疑い、2人は客を説得しましたが、なかなか応じてもらえなかったため、警察に応援を頼んだことで、未然に詐欺を防ぐことができました。
当時の様子を2人に聞きました。
その日、長年この店に通う常連客の男性が、いつもとは違う様子で来店し、店員にこう話したといいます。
「こんなLINEが来たけど、これ詐欺何だろうか?みんなに止められるんだけど僕は信じてる」
見せられた画面には、英文で送られてきたLINEのトーク履歴。翻訳すると、投資の話から、20万円分の電子マネーを購入するよう伝えている内容でした。常連客の男性は、現金20万円を持参してきたといいます。
店員は詐欺だと伝え、購入をやめるよう説得しますが…
「有名人、イーロン・マスクから来たLINEだから詐欺なわけがない」
店員2人で粘り強く説得するも、有名人からの連絡だと信じ切った常連客はこれに応じず、仕方なく警察に通報。
駆け付けた警察官も説得に加わりますが、それでも常連客は詐欺だとは信じてもらえなかったと言います。
この日は一旦警察署で話をするということで、電子マネーは購入せずに常連客は店を後にしました。
そして翌日、再び店を訪れた常連客。
警察署での話のおかげか、いつも通りの買い物だけで電子マネーを購入しようとすることはありませんでしたが、店員には「まだ詐欺だとは信じられないんだよね」とこぼしていたそうです。
このように、著名人を名乗り投資を持ち掛けたり、ネット上のみのやり取りで恋人や結婚相手になったかのようにふるまって金銭を要求するSNSを利用した詐欺が、全国的に急増しています。
こうした詐欺を1件でも多く防ごうと、大田警察署では市内のコンビニ店協力のもと、3万円分以上の電子マネーを購入する客がいた際には、警察に連絡してもらうことで、直接警察官が使用用途などを尋ねることにしていて、到着するまでの間に買い物をして待ってもらおうと、300円分の料金を警察側で負担するなどユニークな取り組みも行っています。
大田警察署 吾郷弘章 署長
「これによって未然にかなりの数を防止することができています。そう簡単に儲かる話はないとしっかり思って頂く、周囲の方に相談してもらいたいと思っています」