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集英社オンライン
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1月12日、北九州市では「二十歳の記念式典」が開かれた。会場となった西日本総合展示場周辺には、今年もド派手な衣装で着飾った若者たちが数多く集まった。
全国的に冷え込みが続く3連休の寒空の中、今年もド派手な若者たちが北九州市二十歳の記念式典会場の西日本総合展示場前の広場に集結。
まだ朝10時台だが、時間には関係なく若者たちのテンションは高い。中間(なかま)中学出身の若者たちは揃いの銀の袴で衣装を揃え、幟(のぼり)を掲げ、拡声器で「なかま」コールを連発。
男女合わせて多くの参加者たちが入り乱れる中、「流れ上げます?」「流れ上げない」という謎のコールで盛り上がっていた。
盛り上がりに圧倒されながらも、別の区画に立つ一見強面の男性に取材を試みた。
「内装の仕事をしています。できるだけ早めに独立し、会社を立ち上げたいですね。地元の北九州で多くの人を雇用できる会社を作って大社長になりたいです。今年?はまだ独立できないかなぁ…。じっくり自分の技術をレベルアップさせたいですね」
彼の衣装は総額40万円だという。高額な袴をレンタルするためにコツコツとお金を貯めてきている彼らは、本当にしっかりものが多いのだ。
「今日の格好ですか? わかりません? 不動明王ですよ、最強の仏様です。仕事は電気工事士です。20歳の目標は一人前になることですね。まだまだ半人前なんで。立派になったねと言われるように頑張りたいです」
こちらは銀の袴で決めた戸畑中学校出身の卒業生たち。写真撮影を申し込むと快く応じてくれた。
「取材? ありがとうございます! いっぱい撮ってください! 尊敬する人は朝倉未来くんすね! 写真絶対使ってくださいねー!」
新たなトレンドになりつつあるのが、花束を超えた、豪華なブーケだ。もともとは新成人がより“映えるように”と後輩や家族が花束をプレゼントしていたらしいのだが、ここ数年は花束ではなく、大型の風船へと変化している。
「クレヨンしんちゃんが大好きなんで! 紫色のブーケは凛音(となりの女性)からもらいました!」
もはやド派手な袴だけでは物足りないと感じてしまうほど、より目立ちたい参加者たちにとってはマストのアイテムになっているのだ。
ド派手な袴・大きな幟・そして風船ブーケ、すべてを兼ね添え一際目立っていた男性。テレビ局の取材が絶えなかった。
「20歳の抱負?もうそれ何回きかれたかわからんす(笑)。頑張ります! それだけです!」
会場が変更になったことで、袴のレンタルショップから、会場までの距離が生まれた。そのためなのか、今年は車で乗りつける若者たちもチラホラ。
例年通り盛り上がりをみせる北九州市二十歳の記念式典。会場を変えたことで、トラブルは起きなかったのか、毎年警備を担当しているガーディアン・エンジェルスの方に話を聞いた。
「お酒などトラブルになりかねないものを持っていないかチェックするために、手荷物検査場を作っているのですが、年々没収することが無くなっていますね。今年も一つも預かることなく、手荷物検査場を閉めました。喧嘩のようなトラブルもないですし、派手に見えてもみんないい子たちですよ。来年も穏やかに開催できることを願っています」
■リーゼント込みで50万円・龍を入れて60万円・幟を入れて80万円
ここからはド派手な会場内の中でも、ひときわ目立っていた面々を紹介する。
自動車整備士を目指す専門学校に通っている男性。
「リーゼントまで入れて50万円くらいですかね。アルバイトして貯めました。将来の夢は立派な自動車整備士になることです。来年国家試験があるんで勉強頑張ります」
なんと肩に龍が巻き付いた袴で一際目立っていた彼。すべて込みで60万円という驚きの袴で多くのメディアから取材を受けていた。
髪まで虹色に決めた男性、幟などすべて込みで80万円だそう。袴の袖には優雅に舞う鶴とスパンコールが!
多くの若者たちは、中学などのグループで集まっているのだが、雷太鼓を背負った彼は、周りがスーツで参加する中、ひとり袴で来場。
「メリーという名前でラッパーをしています! 今年来るんで覚えてください!」
(以下略)
※写真と全文は引用先で