『WIRED』US版の編集部が振り返る「1,000万円相当のビットコインは、こうして永久に失われた」https://t.co/kbIutLmeHw
— WIRED.jp (@wired_jp) 2018年7月4日
2013年を振り返ろう。ビットコインをまだ自宅で採掘することが可能だったあのころを。われわれ『WIRED』US版は当時、いまは存在しないButterfly Labsの手がける小さくて光沢のある採掘機を送ってもらった。
わたしたちはサンフランシスコのオフィスで、ストリーミングデヴァイス「Roku」のような形をしたその機器のスイッチを入れた。ほどなくして、いまなら約10万ドル(約1,100万円)相当のちょっとした資産が貯まった。しかしその後、わたしたちはそれを失ったのである。永久に。
「その資産をどうするか、わたしたちは数週間かけて非常に長い議論を交わしました」。2006年から『WIRED』US版で働くシニアエディターのマイケル・カローレはそう話す。この資産は仮想通貨に関する報道姿勢に影響を及ぼす可能性があり、そのままにしておくわけにはいかない。このため議論を交わさねばならなかったのだ。
スタッフのなかには、ビットコインを寄付すべき、あるいは将来のチャリティ活動にとっておくべきと主張するものもいた。また、永久的に使用不能にすべきとするものもいた。
「そのお金をすぐさま手放してチャリティに寄付しなければ、わたしたちはビットコインについて報道できなくなるとわたしは言ったんです」と『WIRED』US版の副編集長アダム・ロジャーズは話す。「このビットコインに関するすべての話を明らかにする必要がありました」。結局、わたしたちは資産の運用を可能にするビットコインのウォレットを開ける秘密鍵を破壊すべきという結論に至った。
ビットコインの取引をするには、少なくとも2種類の鍵が必要になる。公開鍵と秘密鍵だ(より新しいセキュリティプロトコルの場合は、秘密鍵をもっと増やせる)。これらのコードを組み合わせて使うことで、銀行のような仲介業者を挟まずともビットコインを取引できる。あなたは『WIRED』US版の公開鍵を調べて送金できるし、理屈上わたしたちは自らの秘密鍵を使ってそのお金にアクセスできる。
ただし、それは自分の秘密鍵を破壊していなければの話だ。鍵となるコードを正確に言い当てるのはほぼ無理だろう。64桁もの長さがあり、それがどんなものだったか誰も覚えていないのだから。
(※中略、全文はソース元へ)