米金融当局は2022年11月に仮想通貨交換業大手FTXトレーディングが破綻したのを受け、23年1月に仮想通貨関連の取引に関する注意喚起を出した。今回はそれに続くもので、資金繰りに直結する銀行の流動性リスクに踏み込み、仮想通貨関連の貸出先に対する資産査定(デューデリジェンス)の強化などを促した。
仮想通貨関連企業による預金については「流出入の規模やタイミングが予測できない」として、銀行の流動性へのリスクを2つ挙げた。まず仮想通貨サービスを利用する顧客が関連企業から資産を大量に引き出すといった事象を想定し、「仮想通貨の市場変動によって、(仮想通貨企業による)預金の安定性が左右される」とした。
法定通貨などとの連動を目指す「ステーブルコイン」にも触れた。保有者の換金などへの対応で、急速に銀行預金が引き出される可能性があるとみる。
声明では銀行の預金調達基盤が仮想通貨関連企業に集中している場合、預金の急激な変動を通じて「流動性リスクが高まる可能性がある」と警鐘を鳴らした。実際、FTXなど仮想通貨企業との取引が多い米銀持ち株会社シルバーゲート・キャピタルは22年12月までの3カ月間で、仮想通貨関連企業や投資家からの預金が7割減った。資金捻出のための費用が膨らみ、22年10?12月期は最終赤字となった。
米銀の破綻に詳しいある弁護士は「危機の際、銀行は資本より先に流動性を使い果たす」と警鐘を鳴らす。米金融当局はリーマン・ショック後、銀行に厳しい自己資本規制を課してきた。仮想通貨企業による預金は従来の想定を超えたスピードで流出する可能性があり、資本だけでなく流動性への影響に注目が集まる。
日本経済新聞 2023年2月24日 7:40
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN2351J0T20C23A2000000/
引用元:https://asahi.5ch.net/test/read.cgi/newsplus/1677192811/