コインチェック社、消費者補償の具体的指針がないままみずほと伊藤忠が救済か
事件発生から一か月が経過したコインチェック社の多額の暗号通貨流出問題は、顧客の預かり資産や相場下落に対する補償の方針も打ち出されないまま現在に至っております。そんな中、コインチェック被害弁護団が取締役の和田晃一良さん、大塚雄介さんら、および監査役の佐俣安理さんも含めて総額4億円を超える訴訟を起こす会見を行っています。
一方で、経営再建を目指すコインチェック社は、見込み損害額の大きさを鑑みて経営の破綻を回避し営業を再開させるために、顧客リストの提供を前提にみずほフィナンシャルグループと伊藤忠の投資部門に対して一定規模以上の増資交渉を進めていると見られ、近日中にコインチェック社の全顧客に対し預かり資産の毀損に関する補償方針を打ち出すと関係筋に説明を始めている模様です。
本件コインチェック社の救済に関しては、金融庁や関係各所でも大きく見解が割れており、投資家・消費者の救済に繋がる増資や買収であれば民間同士の話である限り黙認せざるを得ないという見解と、悪質な投資被害が発生した事案に”善玉”であるみずほや伊藤忠が突っ込むのは業界の悪しき前例となるので望ましくないという見解とに大きく分かれ、混沌としています。
何より、一番の問題はコインチェック社の問題は刑事事件化する可能性が否定できないことです。ことは暗号通貨の取引所なので何となく許容されているように見えますが、実態は顧客の預かり資産を会社の運営資金に充当し広告宣伝費など業容拡大の投資に充てた、いわゆる「メルカリスキーム」を採択したことであって、いわば投資金を詐取した経済事件の側面を持ちます。少なくとも、現在伝わっている100億円から200億円前後とされるコインチェック社への救済スキームでは、預かり資産残が6,000億円ほどと推定されるコインチェック社の被害者救済原資としては到底不足しています。
したがって、コインチェック社は被害者である投資家・消費者に対して、取引停止している期間に下落した金融資産の保全や、払い出される暗号通貨そのものや日本円は全額補償しない方針のもとで増資交渉を行っていると予想されるのも仕方のないことです。いわば、顧客資産を切り捨てることでリスクオフし、その枠内で著名企業からの増資を受けるという方針であって、これは本当に許容されるのか、非常に微妙なところです。
(中略、全文はソース元へ)
https://news.yahoo.co.jp/byline/yamamotoichiro/20180228-00082157/
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