韓国が肩を並べ、中国にも抜かれ…他国より昇給率の低い日本日本の企業の平均賃金が低いことは、本特集でOECD(経済協力開発機構)のデータを使ってすでに解説した(関連記事 本特集#1『日本人は韓国人より給料が38万円も安い!低賃金から抜け出せない残念な理由』)。今回は組織・人事コンサルティングのマーサージャパンのデータを使い、企業における昇給と給料の関係を分析する。マーサーは世界約140カ国で企業の報酬(給料)調査を行っており、一般社員から経営層まであらゆる職階の実際の給料データを1500万人分集積している。今回はこのデータのうち、日米中など15カ国の企業の給料(基本給、諸手当などを合計した年間の支給実績額の中央値)を比較できるよう、グラフ化した(次ページにグラフ)。日本は非管理職のスタッフレベルでは、給料は決して低くない。金額は704.2万円で、15カ国中では米国、ドイツ、オーストラリアに次ぐ4番目に位置している。なおこの金額は、働く日本人の実感からするとかなり高額だ。それは(1)手取り額ではなく、中長期インセンティブなどあらゆる報酬を含めた企業側の支給額であること、(2)調査対象の企業における大手企業の比率が高いことが理由だ。ところが課長レベルになると、スタッフレベルでは日本を下回っていた韓国に、ほぼ肩を並べられる。給料の上昇カーブが、韓国の方が急なのだ。中国もカーブが急だ。課長から部長になる間にほぼ倍増の勢いで昇給し、日本の部長の給料を追い抜いてしまう。日本企業の経営幹部の給料は15カ国中で下から4番目https://dol.ismcdn.jp/mwimgs/e/2/1080m/img_e257bb8ec4a4d6b3a16617d47a5e546b270698.jpgそして経営幹部レベルになると、日本の給料は15カ国中、下から4番目に沈む。日本の下にはフランス、インド、マレーシアしかない。日本の経営幹部の給料は、米国に対しては47%、中国に対しては34%、韓国には17%低い。フィリピン、タイ、インドネシアよりも低くなっているのだ。にわかに信じ難いかもしれないが、このデータは企業が実際に支払っている金額を分析した結果だ。この衝撃の事実の「深層」を、データを取りまとめたマーサージャパンの伊藤実和子プロダクト・ソリューションズ プリンシパルに聞いた。(以下、談)まさかここまで他国を下回るとは――。日本企業の給料の実態に、大きなショックを受けた人は多いのではないか。実は大手企業のグローバル人事担当者の間では、「日本の給料は安い」と近年盛んに言われるようになっていた。言い換えれば「海外の給料は高くなっている」という現実でもある。この状況を示したのが、今回のデータだ。今回のデータでショッキングなのは、経営幹部レベルでは欧米先進国や中国、韓国ばかりか、フィリピンなど東南アジアの一部の国々にも給料面で劣るという点だ。こういった国では、昇進し役割が大きくなると、急なカーブを描いて右肩上がりに給料が増える。なぜならどの国でも、「役割の大きさに応じた適切な報酬を与えなければ、優秀な人材が転職して流出してしまう」からだ。次のページこのまま給料が安い日本だと、何が起こる?以下ソース
(全体がそうではないけれど)
大企業だとその傾向があるところもあるな。